レセコンと電子カルテの連携で業務効率アップ：連携方法と一体型システム

2024年8月13日 2024年8月13日

医療機関の業務効率化や診療の質向上のために、電子カルテとレセプトコンピュータ（レセコン）の導入が進んでいます。しかし、両者にはそれぞれの役割や機能の違いがあります。本記事では、レセコンと電子カルテの違い、そして両者を連携させるメリットや一体型システムの利便性について解説します。

レセコン（レセプトコンピュータ）とは、診療報酬の請求を自動化するためのシステムです。患者の診療情報を基に、保険診療の点数を算出し、保険者（保険会社や健康保険組合）に対して診療報酬請求書（レセプト）を作成する機能を持っています。レセコンは、主に以下の機能を提供します。

電子カルテは、患者の診療情報をデジタルで管理するシステムです。診療記録や検査結果、処方情報など、診療に関連するすべての情報を一元管理し、医師や看護師がリアルタイムでアクセスできるようにします。電子カルテの主な機能は以下の通りです。

レセコンと電子カルテの大きな違いは、その役割と目的にあります。レセコンは主に診療報酬の請求業務に特化しており、経営的な側面をサポートするシステムです。一方、電子カルテは診療に関する情報管理を目的としており、医療の質向上や効率化に寄与します。

また、レセコンは主に事務スタッフが利用し、電子カルテは医師や看護師が日常的に使用するツールです。このように、両者は異なる業務に対応していますが、医療機関の効率的な運営にはどちらも欠かせない存在です。

レセコンと電子カルテを連携させることで、医療機関の業務効率が大幅に向上します。例えば、診療情報が電子カルテに入力されると、同じ情報が自動的にレセコンにも反映され、レセプト作成の手間が省けます。これにより、重複入力のミスや手間が削減され、診療の流れがスムーズになります。

また、レセコンと電子カルテが連携していると、診療行為や処方がリアルタイムで反映されるため、診療報酬の計算が即座に行われ、請求業務が効率化されます。さらに、診療内容と請求内容の整合性が保たれやすくなり、保険者からの査定時に指摘されるリスクも減少します。

最近では、レセコンと電子カルテが一体化したシステムも登場しています。この一体型システムは、以下のようなメリットがあります。

一元管理：診療記録からレセプト作成までを一つのシステムで完結できるため、業務の流れがシンプルになり、効率が向上します。
操作の簡便性：一体型システムは、ユーザーインターフェースが統一されており、操作が直感的でわかりやすいです。スタッフが異なるシステムを操作する必要がなくなるため、教育コストの削減にもつながります。
コストの削減：複数のシステムを別々に導入するよりも、一体型システムの方が導入・運用コストが抑えられることが多いです。