医療法人の設立認可申請の流れ~個人開業から法人成りする際に必要なこと
1. はじめに
個人でクリニックを開業し、一定の規模や収益が確保できるようになると、医療法人化を検討するタイミングが訪れます。医療法人化にはさまざまなメリットがある一方で、申請や手続きには時間と手間がかかります。本記事では、個人開業医が医療法人化する際の流れや必要な手続きを詳しく解説します。
2. 医療法人化のメリットとデメリット
メリット
- 節税効果:法人税率の適用により、所得税と比較して税負担が軽減される可能性があります。
- 経営の安定化:法人としての組織運営が可能になり、財務管理が明確になります。
- 事業承継の容易化:個人経営の場合、院長が引退すると事業承継が難しくなりますが、法人化により引き継ぎがスムーズになります。
- 資金調達のしやすさ:法人名義での融資が受けやすくなり、事業の拡大がしやすくなります。
デメリット
デメリットについては、しいて挙げるならという程度で、実際は医療法人成りすることが総合的な判断で必要となります。
メリットに記載していることが、クリニック経営の継続のために必須となります。
設立手続きの負担:行政への認可申請が必要で、設立までに時間がかかります。
運営コストの増加:法人化すると、事務負担や税務申告の手続きが増え、運営コストが増加します。
剰余金の制限:医療法人は営利を目的としないため、出資者が自由に配当を受けることはできません。
3. 医療法人設立認可申請の流れ
医療法人の設立には、主に以下のステップを踏む必要があります。
(1) 事前準備
- 医療法人設立の目的と計画を明確にする
- 経営計画や資金計画を立案する
- 関係機関(税理士、行政書士、弁護士、コンサルタントなど)と相談する
(2) 設立申請の準備
- 定款の作成:法人の基本方針を決定する
会計期間、役員定数、解散時のルールなど、定款に記載する事柄については、設立総会で諮ります。 - 設立総会の開催:出資者や役員を決定する
設立代表者を決定する
債務の引継ぎを協議する
※個人開設時に使用していた医療機器などを引き継ぎますので、その承認を得ます。 - 関係書類の作成:事業計画書、資金計画書、設立趣意書などを作成
- 必要書類の手配:事業報告書、確定申告書、賃貸借契約書、金銭消費貸借契約書などを用意します。
(3) 都道府県への申請
- 申請書類一式を都道府県庁へ提出(都道府県により、申請の期間が違いますので確認が必要です。)
- 必要に応じて補正や修正を行う
- 審査期間中、行政からのヒアリングに対応する
(4) 認可取得と法人登記
- 認可が下りたら、法務局で法人登記を行う
- 診療所の名義変更や各種届出を済ませる
- 法人名義の銀行口座を開設し、運営を開始
4. 医療法人設立後の注意点
- 会計・税務管理の強化:法人化後は会計処理が複雑になるため、専門家のサポートを受ける
- 法令遵守の徹底:医療法人としての義務を果たし、定期的な報告を行う
- 事業計画の見直し:経営状況を定期的に評価し、持続可能な運営を目指す
5. まとめ
医療法人化は、個人クリニック経営にとって重要な転換点となります。メリットとデメリットを十分に理解したうえで、適切な準備を進めることが成功のカギとなります。本記事を参考に、スムーズな法人成りを目指してください。
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