将来に向けて院長の個人資産を増やす!開業医のためのMS法人活用術|個人資産を増やす院長の財務設計
開業医として日々の診療に追われる中、「売上は伸びているはずなのに、なぜか個人資産が増えない」「老後や引退後の生活設計に不安がある」と感じている院長は少なくありません。
その背景には、医療法人(または個人診療所)のお金と、院長個人のお金を“同じ視点”で考えてしまっているという構造的な問題があります。
そこで注目されているのがMS法人(メディカル・サービス法人)の活用です。本記事では、単なる節税テクニックではなく、院長個人の資産形成につながる財務設計という視点から、MS法人の活用術を体系的に解説します。
なぜ今、開業医に「財務設計」が必要なのか
多くの開業医は、以下のような状態に陥りがちです。
- 診療報酬は安定しているが、可処分所得が増えない
- 法人にお金が残っても、自由に使えない
- 引退後の収入源が「貯金」しか見えていない
医療法人は制度上、利益を院長個人に自由に移せない仕組みになっています。そのため、「稼ぐ力」と「貯める力」「増やす力」を分けて考えなければ、いくら診療を頑張っても個人資産は思うように増えません。
ここで重要になるのが、
医療=医療法人/経営・資産形成=MS法人・個人
という役割分担です。
MS法人とは何か(おさらい)
MS法人とは、医療法人や個人診療所に対して以下のような業務を提供する会社です。
- 事務・経理・人事・労務
- 広告・マーケティング
- システム・DX支援
- 不動産管理、備品管理
ポイントは、医療行為そのものは一切行わないこと。
その代わり、「医療以外」をすべて引き受けることで、医療法人から正当な対価(業務委託費・管理費)を受け取ります。
MS法人が「個人資産形成」に効く理由
① 所得の出口を複線化できる
院長個人の収入は、通常「役員報酬」に偏りがちです。しかし役員報酬は、
- 所得税・住民税が高い
- 社会保険料の負担が重い
という弱点があります。
MS法人を設けることで、
- 医療法人 → MS法人への業務委託費
- MS法人 → 院長個人への役員報酬・配当
という二段階構造が生まれ、所得の出口を設計できるようになります。
② 「使えるお金」を法人側に貯められる
医療法人に残ったお金は、使途が厳しく制限されます。一方、MS法人は株式会社であるため、
- 投資(不動産・金融商品)
- 退職金原資の積立
- 将来の事業展開
など、資産形成の自由度が高いのが特徴です。
つまりMS法人は、
院長個人の“資産形成エンジン”として機能します。
③ 引退後も収入が続く設計ができる
診療をやめた瞬間に収入がゼロになる。
これは「一生現役型」の院長に共通するリスクです。
MS法人を活用すれば、
- 不動産管理会社として家賃収入を得る
- 分院・後継院長から管理料を得る
- 医療以外の事業収益を得る
といった形で、診療に依存しない収入源を持つことが可能になります。
院長のための「三つの財布」発想
MS法人活用を理解するうえで重要なのが、次の考え方です。
- 医療法人の財布
→ 診療報酬、スタッフ給与、医療経費 - MS法人の財布
→ 管理料、事業利益、投資・資産形成 - 院長個人の財布
→ 生活費、個人投資、老後資金
この三つを意識的に分けることで、
「どこで稼ぎ」「どこで貯め」「どこで使うか」
が明確になり、資産形成のスピードが一気に変わります。
よくある失敗パターンと注意点
節税目的だけで作ってしまう
MS法人は魔法の箱ではありません。
業務実態が伴わないと、税務リスクが高まります。
- 名ばかりの管理料
- 実態のない業務委託
- 相場とかけ離れた金額設定
これらはすべてNGです。
財務全体の設計がない
MS法人は「点」ではなく「線」で考える必要があります。
- 役員報酬はいくらにするのか
- 退職金はどこで準備するのか
- 65歳以降の収入はどうするのか
ライフプランと連動した設計がなければ、効果は限定的です。
MS法人は「院長の人生設計ツール」
MS法人の本質は、
節税ではなく、院長が“いつまで・どこまで働くか”を選べるようにすることです。
- 一生現役で診療を続けたい院長
- 50代後半からは経営にシフトしたい院長
- 早めに引退し、資産収入で暮らしたい院長
どの道を選ぶにしても、
医療法人だけでは選択肢が足りないのが現実です。
まとめ|稼ぐ院長から「残す院長」へ
MS法人は、単なる節税スキームではありません。
それは、開業医が自分の人生を設計するための財務インフラです。
- 医療と経営を分ける
- 法人と個人の役割を分ける
- 今と将来のお金を分けて考える
この視点を持てたとき、
「忙しいけど不安な院長」から
「仕組みで資産を増やす院長」へとステージが変わります。
クリニック経営の次の一手として、
MS法人を“資産形成の武器”として考えてみてはいかがでしょうか。


