クリニック開業虎の巻(物件選び)

クリニック開業の方法は大きく分けて2つあります。
一つは、新規開業です。物件を探して内装などすべて先生のイメージを反映させていくことができます。もう一方は、承継開業です。すでに診療所として運営されていたところを引き継ぐ形式です。どちらの場合でも、経営理念、事業方針にあわせて、地域の患者さんにとって安心できる診療所が運営されることが一番重要です。

クリニック開業

開業するにあたり、大切なのは準備です。では、事前準備では何をしたらよいかということですが、物件選定、標榜診療科選定、理念作成、事業計画、収支計画、中期経営計画、長期経営計画、人員採用計画、資金調達、建築会社選定、医療機器、薬剤卸、ロゴ、看板、広報など項目がたくさんあります。開業するという覚悟が決まってから、これらをいっぺんに行うのはとても難しいです。
一番多くの時間をかけたほうが良いのは、立地です。自分の土地に新築する場合は、内装など思い通りにできる余地はありますが、賃貸の場合希望に合った物件に巡り合うのは難しいです。そこで、検討段階でも物件情報を集めていくことで開業のイメージわきますし、比較材料としての物件知識も増えます。

エリア選定

どの地域で開業するかですが、診療科、人口動態、競合などによって決めていく方もいます。
医療機器メーカー、製薬会社、不動産、コンサルタントなどに情報を依頼した場合、上記のようなデータは作成してくれます。ただ、情報も大事ですが出身地、ご卒業大学、常勤先の近くでの開設を希望される先生も多いと思います。それぞれ、どんなメリット・デメリットがあるかを考えることが大切です。

メリット/デメリット比較

ビルイン戸建て土地購入の費用、ビル診は人気エリアで出店しにくい。
路面空中階(2F以上)患者利便性は良いが高額。薬局とのコラボだと1Fは入れないことが多い。
都心部郊外(住宅街)都心部はコスト高、郊外はスタッフ採用が難しい。
オフィス街商店街健診有無、診療時間に影響が出る。土日の活用が重要。
前入居者(医療)前入居者(非医療)近隣からのイメージ、必ずしも医療→医療でなくてもよい。
ショッピングモール内単体クリニックモール集患力があるモール。新規入居の情報力などが重要、入居タイミングが難しい。
幹線道路沿い一般道路沿い総合クリニックか否か、近隣とのバランス規模によって選定。
車来院徒歩来院対象の患者さんの層(診療科)によって選定。
近隣(他診療科)近隣(同診療科)地域連携の構築しやすさ、規模、診療科によって選定。

土地の購入に関しては、建貸しなどのスキームで費用を軽減することもできます。
MRIなどを入れる場合はシールドルームを造設することはもちろん、重さに耐えられるかも重要です。支柱の上に設置できるような検査室の配置など、詳しい方に同行してもらうこともポイントです。また、先生方のキャリア形成に関しても新規開業時には影響を及ぼすこともあります。どのようにキャリアプランを描いてブランディングしていくかなどは、相談しながら決めていくことで幅広い思考でアイデアを生み出せます。

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